リトミックって何ですか?
リトミックは約100年前にスイスのエミール・ジャック=ダルクローズという人が考え出した音楽教育の手法です。
大きな特徴としては、身体を動かす経験を通して感じ取っていく音楽教育法だということです。
ですから、レッスンはただ遊んでいるように見えることも多々ありますが、ひとつひとつの遊びに音楽的な意義・目的があり、子ども達は知らず知らずのうちに音楽の基礎能力がついていくのです。
どんな事をするの?
レッスンのほとんどは先生の即興演奏で進められていきます。
幼児のためのリトミックは、楽譜を読んだり演奏の技術を学ぶ前に心や体に染み込ませておきたい音楽的なものを全身と声を使って体得します。
レッスンはイメージ活動を大切にし、子どもが音楽で遊んでいるように進められます。
そしてそこには必ず指導者の音楽的メッセージが込められていて、音の強弱、テンポ、音の高低、拍子、フレーズや音楽の流れなどいろいろな音楽の要素を、理論を先行させる事なく、幼児達ひとりひとりが持っている素晴らしい感覚に取り込んでいきます。
教材は?
お揃いの教材と言った画一的なものはダルクローズの理念と対極にあります。
毎回、指導案を作りピアノ即興を用いて反応を見ながら臨機応変に展開していきます。
なぜリトミックが重要か?
幼児期は五感をフル回転して驚くほど多くのものを吸収して成長していきます。
しかし、あまりの吸収の良さに大人たちは「もっと早くもっとたくさん」と子どもが自分で見つけだす前にいろいろな知識を与えてしまいがちです。
その結果、頭ばかりが大きくなった人間が増えてしまったので、現在では様々な方面で「体験学習」が叫ばれています。
ところが、100年近くも前にそのことに気づき、音楽教育の分野で
「私が知っているのではなく、私は体験したと言えることが大事だ」
という理念を実践した教育家がいました。
それが、ダルクローズ教育法(リトミック)を考案したエミール・ジャック=ダルクローズです。
もともとは音楽表現を豊かにする手段として考え出された教育法ですが、集中力・反射性・敏捷性・想像力・記憶力・思考力・協調力を育て、心身のバランスの取れた人間を育てる”音楽による人間教育”として発展しました。
日本においてもリトミックは音楽教育だけでなく、幼児教育、障害児教育、またダンスや演劇など、幅広く応用されています。
子供の頃に印象付けられたことは一生その人間を支配します。
小さい時ほどお母さんが良いものを、本物を選び触れさせてあげることが大切です。